世界の始まり

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政治家で体裁と権力欲のみの厳しい父 プライドが高く傲慢で我が子に無関心な母 そんな環境で育つ俺が 永遠子と出会ったのは 彼女が生まれてすぐの事だった 俺が生まれてから3年後の同じ日 永遠子はこの世に生を受けたんだ ーーー同じ誕生日 それだけで俺にとっては運命のようで 特別な気持ちになったのを覚えてる 「ほら、蒼志。 永遠子だ、可愛いだろ?」 「本当だな、まるで兄妹みたいだ」 「仲良く育ってくれたらいいわね」 ーーー“兄妹のように” 永遠子の両親と俺の厳格な父親が こんな会話をしている記憶なんて無いけれど それを思わせる程に仲が良かった 3歳の俺と生まれたばかりの 赤ん坊の永遠子を並べて 仲睦まじく過ごしている姿が写真に残ってる 永遠子の両親と 俺の父親が旧知の仲だったらしいから そうなるのは必然だったのかもしれない ・
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