世界の始まり

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あの頃の数ある思い出で 俺の胸に残る礎ーーー… ある晴れた日曜日に 三沢親子に連れ出され 俺が参加した休日の遊園地 それまで子供が親と過ごすという 一般的な日曜日を 俺は過ごした事などなかった そんな俺を永遠子の両親が 思い遣ってくれたのかもしれない 「蒼ちゃーん! アレ!あっちのに乗ろう!!」 嬉しそうに、楽しそうに 満面の笑みを俺に向け手を引いていく永遠子 その笑顔を見ているだけで 俺も自然に笑えて… 日々の中で感じる事のない 大きな胸の温もり 空洞だらけの身体の奥の方が ーーー満たされる ・
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