世界の始まり

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賑わう遊園地で 昼食を済ませた後… 永遠子が母親とお手洗いに行き 俺が三沢晴彦と二人になった時だった 「蒼志。 永遠子の事、好きか?」 唐突にニヤリと笑い 問い掛けてきたのは三沢晴彦だった 「…いきなり…何?」 図星を指されて 内心、動揺する俺… 三沢晴彦は俺の気持ちを 見透かすように表情を和らげる… 「蒼志、いいか? お前は男だからな。 大事な女は守らなければならん。 守ってこその男だぞ!!」 俺はその言葉に ただ素直に頷いたんだ… ーーー“永遠子を守る” そんな俺を見た永遠子の父・三沢晴彦が 嬉しそうな笑みを浮かべ 俺の頭を撫でたのを覚えてる 俺は実の父親に 頭を撫でてもらった事など一度もない ーーー嬉し、かった やはり子供ながらの 感情が俺にも在ったのだと自覚した出来事 三沢晴彦は正義感が強く その信念に従うように 刑事という職業に就ていて… 俺は三沢晴彦を 同性の中で一番尊敬していた ・
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