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永遠子の言葉を聞いた瞬間
俺の中で何かが決壊して溢れた
幼い永遠子が俺を守る
だなんて、端から見れば
笑ってしまうかもしれない
ーーーでも、嬉しかった
不謹慎だけど
俺は嬉しかったんだ…
「トワもこわい時とか、かなしい時に
お父さんに頭こうして
ナデナデしてもらうと元気になったよ?」
永遠子の素直で
飾り気のない声に胸が熱くなった
ーーー晴彦おじさん
あなたの娘はあなたの優しさを
きちんと受け継いでいます…
俺は涙を隠すように
小さな身体を抱き締めた
「蒼ちゃん?」
「俺も永遠子を守るよ…
ずっと傍にいて、俺が永遠子を守るから…」
俺は想いを込めて
永遠子にそう囁いて…
「っ…蒼ちゃん……」
俺の声を聞いた永遠子は
腕の中で震えながら、その哀しみを零した…
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