世界の始まり

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーー 「…その壺に お父さんが入ってて… それをそこに入れるの?」 ーーー三沢春彦の納骨の日 手を握る母親へと 永遠子が小さく問い掛けた 「…そうだよ… ここでずっと眠るの…」 永遠子の母・三沢可南子が 寂しそうに告げる… 心配そうに母親を見上げる永遠子の頭へと 無意識に手を伸ばし優しく撫でた 「…トワ…」 「…蒼ちゃん…」 三沢家の親族に混じり 俺と父・三神誠一郎も墓地に参列していて… 納骨が終わり親族が去って行く墓前で 永遠子と母親、俺と父親が4人で佇んだ 「…行きましょうか… 可南子さん…永遠子ちゃんも…」 「…はい、永遠子…?」 墓石を見つめながら呆然とする永遠子に 三沢可南子が声を掛けるが 永遠子はその場所から動かなかった そんな永遠子の姿を見て 俺の胸が酷く痛んだ 「…可南子おばさん… 僕が連れて行きますから…」 ・
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