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「蒼ちゃん」
ーーーある春の日
俺が10歳、永遠子が7歳の頃
永遠子に呼ばれて
俺は顔を上げた
屋敷の庭に咲き誇る
薔薇の花園から死角になる木の陰
肌寒さが和らいだこの季節は
ここで読書をするのが好きだった
大人たちから逃げる口実も
多少はあったんだけど。
それでも永遠子はいつも…
ーーー俺を見つけてくれた
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