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「遥ちゃん」
向井くんが声をかけてきたのはお昼休みだった。後ろで岩田くんがバツ悪そうにしている。
「うん。どうしたの向井くん」
「あのさ、バーベキューの事だけど……」
「バーベキュー? 岩田くんが、向井くんに内緒で私と光希ちゃんを誘ったバーベキューの事?」
「遥ちゃんって意地悪だよね……」
後ろで岩田くんが呟いて、向井くんはパンッと頭を叩く。
「暴力はんたーい! 向井の為に誘ったんじゃん!」
「よく言うわよね~岩田くん、光希ちゃんを誘いたいだけじゃない」
「うん。その通りだけどさぁ……俺は光希ともっと仲良くなりたい!」
私の隣で光希ちゃんは、呆れた顔で岩田くんを見ている。
「岩田。あんたさ、なら直接私を誘えば良いじゃん」
「だって、光希恐いモン」
「あんたって……」
光希ちゃんが少しむっとして、岩田くんを睨む。まあ、本気じゃないのはわかりきってる。
「行こうよ。四人で……綺麗な天の川とか見てみたいし」
なぜだか、そんな風に口に出した。
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