七章

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「遥ちゃん」 向井くんが声をかけてきたのはお昼休みだった。後ろで岩田くんがバツ悪そうにしている。 「うん。どうしたの向井くん」 「あのさ、バーベキューの事だけど……」 「バーベキュー? 岩田くんが、向井くんに内緒で私と光希ちゃんを誘ったバーベキューの事?」 「遥ちゃんって意地悪だよね……」 後ろで岩田くんが呟いて、向井くんはパンッと頭を叩く。 「暴力はんたーい! 向井の為に誘ったんじゃん!」 「よく言うわよね~岩田くん、光希ちゃんを誘いたいだけじゃない」 「うん。その通りだけどさぁ……俺は光希ともっと仲良くなりたい!」 私の隣で光希ちゃんは、呆れた顔で岩田くんを見ている。 「岩田。あんたさ、なら直接私を誘えば良いじゃん」 「だって、光希恐いモン」 「あんたって……」 光希ちゃんが少しむっとして、岩田くんを睨む。まあ、本気じゃないのはわかりきってる。 「行こうよ。四人で……綺麗な天の川とか見てみたいし」 なぜだか、そんな風に口に出した。
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