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横に五人は座れそうなふかふかのソファー。真っ白の皮で、柔らかくて気持ち良い。
大きな低いガラスのテーブルに、似つかわしくないコンビニの袋ががさっと置かれた。
「後藤さん買いすぎ。もったいないよ」
「あーそっか……そうだよねぇ」
ペットボトルだけで四本。甘い炭酸に100%のジュースにコーラにフルーツオーレ。
「どれにする?」
「後藤さんは?」
「んー。ビール飲むから良いや」
随分離れたキッチンへ後藤さんが向かう。退屈なので、バッグをソファーに置いたままでそっと背後を歩く。
「なーんにも入ってないねぇ」
「うわっ!びっくりするなぁ……」
私の家の倍はありそうな冷蔵庫には、ビールやジュースやワインだけが並んでいた。
大きなキッチンなんて、使った形跡もない。
「寝に帰るだけだしなぁ」
「でも、綺麗にしてるねぇ。なんか、もっとこう……」
「散らかってると思ってた?」
「うん。男の人の部屋なんて見たことないですけどね」
後藤さんはグラスを二つ手に持ったままで、嬉しそうに笑う。ああ、なるほど……この人は、私の〈初めて〉が嬉しいのか……
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