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二度目だからと云って、腰に重く入り込む異物にはまだ慣れない。
その様子を感じてか、後藤さんがゆっくり腰を動かす。
何だかひっくり返ったカエルみたいな自分の姿に、可笑しさが込み上げる。
耳元で後藤さんが、私の名前を囁く。触れてるだけで良いのにとそんな事を考えていた。
「送るよ。酔いも醒めたし」
「良いですよ。子供じゃないし……電車もありますから」
「だってさ……少しでも遥ちゃんと一緒にいたいし」
「後藤さん?」
「なに?遥ちゃん」
「子供みたいですねぇ……」
ぷぅっと頬っぺたを膨らませて、唇まで尖らせて後藤さんが私の胸に顔を埋める。
まあ、良いか。何だか、私の事なのに天井から眺めてるみたいな変な感じだった。
シャワーを浴びて、服に着替えて、大きな鏡の前で少し濡れた髪を乾かした。
前かがみになると胸元で星がゆらゆら揺れる。それが何だか嫌で、服の中に星を隠した。
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