七章

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「ふーん……」 くるっと岩田くんに背を向ける。どんな顔をして良いのか分からなかったからだ。 僅かな重みが、首にまわる細いチェーンに伝わった。夏の陽射しで、キラっと光る胸の星。 「ねえ岩田くん。そこって星見えるかな?」 「えっ!良いの!勿論だって、手で掴めそうなぐらい星が近いんだ。スゲェぜアレ」 「そう……じゃあ、光希ちゃんも向井くんも、岩田くんが責任持って誘ってね」 「やりぃ!岩田桂吾、誠心誠意努力します!」 「岩田くんってさ……」 「なに?俺に惚れちゃダメだよ。遥ちゃん!俺は親友と争いたくないんだ」 「……100%ないから。それ……」 「即答っ!遥ちゃんってさ……思ってたより、毒舌だよね」 「えっ?可憐な乙女って言われるけど?」 岩田くんがげらげら笑う。 「やっぱ良い感じだよね。最近の遥ちゃん」
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