七章

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良い感じって言われる事は悪い気はしない。 それは、とても普通の事だと思うのだ。 でも、どう考えても切っ掛けは後藤さんとの事で複雑な気分になる。 嫌いなわけじゃないのだと思う。でも、初めに感じた『絶対好きにならない』と云うのも本当だった。 お金持ち……それも、想像出来ないぐらいで。遊んでいる事は間違いないけれど、部屋には誰かが入り込んだ気配すらなかった。 優しい……確かに初めはお父さんを陥れた酷い人だった。けど、私にはとても優しい。 見た目だって、こ綺麗でお洒落で……口数は多いけれど、ちゃんと周囲にも気を配っている。 まあ、最低限だけれど。 後藤さんの何が問題かと考える。多分問題などないのだろう。 好きになっても、それ以上の感情は抱けないと感じる私の問題なのだ。 後藤さんと一緒だと楽しい気はする。でも、伊藤くんや修造先生の事を考える時みたいな、痛みも、ドキドキする事もない。 それなのに、二度も後藤さんと寝てしまった。 後悔もしていない。
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