第1章

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私の人生なんて、きっと平凡なモノなのだろう。 スマートフォンに流れる「誕生日おめでとう!」のコメントを眺めて、そんな事を考える。 別に平凡で在る事が不満なわけでも無い。その事で悩んでいるかと云えば、そうでもない。 ただ、漠然とそんな風に考えるだけで深い意味もないのかもしれない。  今日、私は十八になった。 何かが変わるわけでもない。十八回目の誕生日を迎えただけの事なのだ。 リビングから、お母さんの声が聞こえる。なんだか楽しそうに私を呼んでいる。 きっと、テーブルには唐揚げやら、私の好きなポテトサラダやら、駅前にあるお気に入りのケーキ屋さんで買った誕生日のデコレーションが施された丸いケーキが並んでいるのだろう。 十八にもなって、家族で誕生日を祝う。 友人からカラオケにも誘われたのだけれど、結局私は家で誕生日を祝って貰う。 小さな商社に勤める父も、パートで働く母も、家族の誕生日には必ず時間を合わせて帰宅する。 いつもの事だ。私も機嫌よく母に向けて返事を返した。 「はーい」 ドアを開ければリビングで、予想通りにお母さんの手料理がテーブル一杯に並んでいた。 妹の香澄はもうスマホを片手にテーブルに座っている。三つ下の妹、香澄。 「おめでとう、遥ちゃん」
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