二章

50/51
4254人が本棚に入れています
本棚に追加
/414ページ
「私がその場にいたら、遥ちんの代わりにぶん殴ってやるのに!」 瑠香は怒りが収まらない様子だけれど、横に座って私の頭を抱えて……泣いていた。 漸く、アノ事を吐き出せて、嗚咽は止まら無いけれど心が軽くなった気がする。 どのぐらいそうしていただろう。 頭を撫でる瑠香の手が気持ち良くて、感謝しか無かった。 「あースッキリした!もう忘れる!」 「そうだ!そうだ!そんな馬鹿の為に遥ちんが苦しんじゃダメなのだ!」 「だよね。もう忘れたから大丈夫」 「うん。修造に抱き付けるぐらいだから、遥ちんは大丈夫なのだ」 「……それは、伊藤くんにナイショでお願いします」 「だよねぇ」 瑠香が私を見て大笑いした。急に恥ずかしさがぶり返す。 「どうかしてたんだよねぇ……修造先生に抱きつくなんて」 「うん。驚いたわよ、アレは一生モンのネタだわ」
/414ページ

最初のコメントを投稿しよう!