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そこを進み、さらに現れた大きないくつかの山を登っては下り、ようやっと目的地に着いた。
そこに、彼女はいた。
身長は僕よりかなり高い……160近いんじゃないんだろうか?
でも顔、身なりは……こう言ってはあれだが、見事に垢抜けていない、田舎娘、というところだった。
地味な色使いに有り合わせの物を着込んだようなパっとしない組み合わせ。
顔に化粧っ気はなく、髪型も適当な長さに伸ばされた物を適当に丸いボールがついたゴムでまとめていた。
玄関から入り、父が親戚方に挨拶している時に、部屋を隔てる襖からこっちを覗いていた。
興味深そうに。僕も僕で特にやる事もなく、堅っ苦しい礼服に息が詰まりそうだったので彼女の方をなんとなしに見ていた。
ある程度話が一段落したところで父は親戚の人たちと別の部屋に移動した。
僕はついて行かなくていいらしい。
そのタイミングを見計らったかのように、彼女がやってきた。
それから30分後……
僕は、なぜか山の中にいた。
先を行く彼女が話す。
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