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だから戦闘方法も頭の中で自動的に構成され、こういうパターンでくればこう対処すればいい、と勝手に体が動くのだ。
「まぁまぁ楽しめんじゃねーか、このガキ!なぁ騎士団長、こいつ強くなる気がするぜ。」
「同感だよ。ソーマ、君なら国王になれるしこの国を守る勇者にもなれるよ!」
「勇…者…?」
僕は動きを止め、サバイバルナイフを地面に落とした。
勇者という言葉を聞いて無意識に力が抜けてしまったからだ。
僕は唖然としたまま、ロクサスを見た。
「歴史の教科書に名前が載るかもしれないよ。君の伝説を語った歴史と共にね。」
「そうね。このギルドのこともついでに語ってくれれば私達、最強じゃない?」
「わりぃ。俺はそういうのは興味ねぇんだわ。とにかくこいつは随分手慣れてるしセンスも充分ある。特訓なんてもういらねぇだろ。」
「じゃあ、実戦になるよ。」
「実戦…?」
ハッと我に返った僕はロクサスの実戦という言葉を聞いて再び驚く。
そして落としたサバイバルナイフを拾い、それをカイに返した。
「実際、戦争ってのは俺達みたいなやつが集団戦になってんだよ。お前みたいなガキでも容赦なしにくるしな。」
「そうね。私も戦闘になれば治療なんて暇はないわ。」
「たった4人だと自分の身を守ることが精一杯だからね。」
「じゃあ今から3人対僕でやってみよう。僕を敵と思ってさ。」
「君が相手だとどうも手加減してしまうな…。あ、それに僕はちゃんと君を守るよ。安心して。」
「無理だよ。自分の身を守ることが精一杯なら、守れないじゃないか。僕に任せて。早くやろう。」
僕は鞘から剣を抜き出し、両手で真っ直ぐに構える。
目の前の3人は武器を取り出し、僕に剣を向けた。
「思ったんだけど、ロクサスのその武器は何?」
僕は、ロクサスが持っている剣に疑問をもっていた。
鋸のようにギザギザしている、刺さるととても痛そうな剣だ。
「剣刺っていってね、僕はこいつを凄く気に入ってるんだ。刺す時にギザギザする感覚を味わえるしゆっくりと刺さるからね。」
「おーおー。性格えげつねぇな。」
「私の蛇剣もなかなかじゃない?」
そういって、エリーゼは背後からグネグネと蛇のように曲がった剣を取り出す。
形はすべてバラバラで、僕も色々な種類の剣があることを知った。
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