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「僕の剣は普通のかぁ。」
「君のはとても切れ味がいいしすぐに突き刺さるんだよ。軽い力でね。」
「これが…?」
こんなどこにも置いてそうな剣が、すぐに人を突き刺したり傷付けたりしてしまう貴重なものだと僕は初めて知った。
今日だけでたくさんのことを知った気がする。
僕は再び強く剣を握り、剣の特徴をしれたところで注意をして戦うようにした。
「確認だけど、エリーゼは本当に医学に自信があるんだよね。医療に関してはなんでも出来るの?」
「当たり前よ。だから容赦なしに斬りかかるわよ、坊や。」
「望むところさ。」
「血が騒いできたぜ。」
僕は全員と目を合わせた後に、先にロクサスの方へ向かって走った。
「なっ…」
狙いはロクサスなはずが、やはりカイやエリーゼは邪魔をしてくる。
僕は多少予感をしていた為、剣を割り込まれた所でバックステップをして距離をとることが出来た。
「俺を狙え、ガキ」
「私からよ。」
そういって2人が僕の方向に向かって走ってきたのだ。
僕は2人が正面から来てくることを読めたので左にワンステップをし、左側に居たエリーゼの腰を狙う。
「甘い。」
「そんな…。」
切り込んだはずが、ロクサスの剣刺によって止められた。
エリーゼはため息をついて、助かったわと微笑む。
少しがっかりした風に僕もため息をつき、ロクサスと距離をとった。
「そんな距離をとってばっかじゃダメだよ。バックステップは読まれたら弱点になるからね。」
「どうやっていこうか悩んでるんだよ。相手が3人だと、少し考えないと瞬発的に判断はできないからね。」
「今まで瞬発的にやってたからいける。人間ってのはな、ピンチに強いように作られてんだよ」
強く拳を握りしめて今にも殴ってきそうに構えたカイが物凄いスピードで僕の方に向かってきた。
僕は双手剣を鞘に収め、向かってくるカイに身を低くして待った。
「素手だと尚更勝てないよ。今の君は力がまだ…」
「貰った!!」
僕は殴りかかってきたカイをするりと交わして、彼の腰に掛かっているシースからサバイバルナイフを奪った。
そして次にこちらに向かってくるエリーゼの蛇剣を払い除け、エリーゼの背後に回った。
「蛇剣が…」
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