4人が本棚に入れています
本棚に追加
『ある日、小さな小さな孤立した国が大きな国に逆らう事になりました。
世はその時、絶対王政の最中です。
その小さな小さな国で、たった7人の騎士が国を変えるために出陣します。
その騎士は』
二階建ての天井裏に隠された古い本。
その本には、破れた最初のたった一ページしか残されていなかった。
文才も微妙で、だけど続きが気になるこの小説。
もし続きを書き足すとすれば、どんな物語になるのだろうか。
いや、むしろこの世界観に行けばどうだろうか。
小説ではなく実話になり、それは語り方も変わってしまう。
体験してしまえば使う言葉だって変わる。
膝を抱え、ただ一人でそう考えていた。
そこに居るのは鼠色のフードをかぶった赤髪のヘンリーと言う名の少年だ。
真昼なのに窓もない部屋は日差しもなく暗い。
小さな手持ちのランプをほのかに照らすだけで、周囲に何があるかなど確認は出来なかった。
この物語は始まりに過ぎない。
これから話す内容は、全てこのヘンリーと言う名の少年が作った話だ。
気になる内容ならば書き足せばいい。
少年は、ほのかに照らす灯りを頼りにして筆を持った。
最初のコメントを投稿しよう!