結成

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僕は力を入れたまま勢いよくドアを開け、自分の部屋から大きなケースを持ち出した。 確認のため、中にあるものをすべて覗いてみる。 ダガー、ボウイナイフ、バタフライナイフ、ライフル、ハンドガン、マグナム、ショットガン。 これが僕が買い揃えた全ての武器だ。 いや、違う。 誰にも言えなかった事実。 買ったものではないのだ。 僕はこの武器は全て貰ったものだった。 買ったと言っても過言ではないが、金で取引をしたわけではない。 いわゆる、臓器販売というやつだ。 僕が死んだ時は臓器を全て貴国に提供する代わりに、武器を渡して欲しいと頼んだところあっさりとくれた。 きっと僕が死んだ時のことを想定して武器を売ってくれたとすれば、アメリカやイギリスは僕を殺すつもりでいるのだろう。 それならば対抗するだけだ。 臓器提供なんて、絶対にしたくない。 それに米軍に殺された後、八つ裂きにされてからの提供なんて御免だ。 僕が勝ち、そして国の頂点をとる。 絶対王政なんてものを失くし、平和な世界にしてみせる。 僕の今の目的は、ただそれだけだ。 確認が終わった後、ケースを閉じてまた走って家を出た。 またここから約10分の我慢だ。 投げてくる石を避けるのも、一種の特訓だ。 僕はひとつひとつを丁寧に避け、耳に届く批判の声も押し切って宮殿まで走った。 「うわああ!」 目の前にある宮殿は、先程とは比べ物にならないくらいに入口に人が集っていた。 僕みたいに呆然と立ち尽くす人ばかりで、どうもそこから入るのも気まづかった。 だけどそこで迷いや躊躇いがあると、話が進まなくなってしまう。 咄嗟にそう考えた僕は、人混みの中をくぐり抜けて宮殿に入った。 長い階段や廊下を渡り、部屋のドアを勢いよく開けて大きく肩を上下に揺らした僕は、全員のくつろいでいる顔を見て少しイラッと腹を立ててしまった。 「荷物・・・これで、全部だよ。」 「お疲れ様。立てるかい?」 疲れ果てて玄関で座り込む僕に真っ先に向かってきて手を伸ばしてきたのは、やはりロクサスだ。 彼はどこまでも気がきく。 僕は伸ばしてきたその手を握り、立ち上がった。 「さて、準備でもしようか。ヘリがもう待ってるよ。」 「ヘリ?いつの間に?どうしてこの国にそんなものが。」
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