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「誰かを…守る…?」
「そうだよ。ソーマは何となく昔の僕に似ているんだ。すぐに泣いてしまうとこも、それでも誰かを守りたそうな目をしているところも。」
「初めて会ったばかりなのにどうしてそれを…」
「本当にただの趣味で集めるなら偽物の武器で充分だよ。それでも本物を買ったのなら、ただの趣味なんかじゃないよ。」
「クローザーさんと僕が同じところで戦うの?」
「やだな、ロクサスって呼んでおくれよ。
そうだよ。流石にまだ怖いだろうから、無理には言わないよ。ソーマが国王に謝罪をどうしてもしたいのなら、直接会えない代わりに国を守るって方法があるよ。」
「僕まだ子供だよ?力も弱いし…」
「僕はこうみえて15歳だ。君とあまり変わらない気がするよ。それに、そんな年でも鍛えてしまえば僕みたいになるさ。」
明らかに身長は175を超えた長身で、ボサボサの遊ばせた茶髪のロクサスが15歳だなんて、信じられなかった。
それに体型もかなりがっちりとしている。
この国は貧困国なため、身長は平均的にはかなり小さい方だ。
170の代となると、既に成人している人しかありえなかったのだ。
「僕も、ロクサスみたいに…なれる…?」
「会ったばかりだし君の話を聞いただけだから君がどんな気持ちでいるのかは深くわからないよ。ただ、君の目は嘘をついていない。宮殿まで堂々とひとりで手ぶらで来るだけの勇気はあるんだ。
君を迎えるよ。僕のギルドに。」
「ギルド…?」
「そう。こっちへおいで。ソーマ。」
ロクサスは僕の右手を引き、宮殿の中へ連れていく。
一般人の僕は入れないはずなのに、彼はあっさりと僕を迎え入れた。
中はレットカーペットが敷かれており、シャンデリアも蝋燭も像も、僕の憧れと言えるようなものが揃っていた。
「ここが僕達のアジトだよ。
そうだ、名前を決めようか。どうする?」
「え?」
「僕達二人で変えよう。この国を変えるには、それしかない。」
「国王は?」
「基本的椅子に座って僕達に命令するだけさ。
だから絶対王政って面倒なんだよね。他国から命令されればこの国も命令されるし。
右を向けって言われて向かなければ僕達の命なんてないからね?」
「それは…嫌だなぁ。」
「そう。じゃあ君が王様になればいいさ。」
「ぼ、僕が!?」
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