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そんなことを今後悔したところでもう終わった話だ。
彼について行き、この国を絶対王政から除外されれば僕は何も望まない。
またあの平和な国に戻れば、僕はそれだけでよかった。
ゆっくりと開いた扉の奥には、宮殿の廊下とは違って全体的に白かった。
二人で戦うと言っていたはずがリビングは大きなテーブルに4つの椅子が置いてある。
おそらくここは4人部屋だ。
リビング、洋室が4部屋、残りのひと部屋は何も無い広い部屋。
全部で6部屋で構成されていた。
何も無い広い部屋は窓もなければ物もない。
ロクサスはその何も無い広い部屋に向かった。
「ここが僕達の会議室だ。ここに武器も何もかも置いておくようにすれば、いつだって戦えるだろう?」
「会議室とはいっても、机も椅子もないから会議とかできそうにないような…」
「買えばいいさ。4つ分。」
「4つ?あと2人がここに来るの?」
「さぁ。どうだろう。ただ、僕は君と同じくこの国の違反者、いや反逆者なんだ。」
「は、反逆者!?どういうこと!?」
「僕はこの国に反逆してしまったんだ。この国で一番罪が重い人間が、僕だよ。」
「なにをしたの…?」
「僕の兄はロシアに戦争に行ってしまった。この国は出兵の必要は全くないはずなのに、何故か関係の無い戦争に行かせたんだ。その頃はまだ絶対王政なんてなかったのにね。そしてその戦争で兄は殺されたんだ。負けることもわかってた。訓練も何もしてない兄が生きて帰れるわけがないよ。」
「本当はどの国と戦っていたの?」
「イギリス。」
ロクサスは拳をぎゅっと握りしめて、怒りを抑えたような顔をしている。
歯を食いしばって、その当時のことをとても後悔しているように目を閉じていた。
「だから許せなかったんだよ。兄を守れなかった自分も、関係の無い戦争に行かせたこの国も。」
「どうしてそれで反逆者になるの?だって…」
「ソーマ、君は確か国王に謝罪をしたいって言ってたよね?無理だよ。国王は既に他界さ。」
「た、他界って…何?」
「死んでるんだよ。いや違う。この国で一番罪が重い人間の僕が殺したんだ。この手で、国王を。」
「こ、殺した!?」
自らの剣の鞘を撫でて、口角を釣り上げた。
ロクサスは、あの時の殺意を思い出したかのように笑い出す。
僕は少し怖くなって、ロクサスから離れるように一歩下がった。
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