トナリ。

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――――  ――こうなるなら断ったらよかったのだろうか、と考えるけれどすでに遅い。  何だかんだ言って……泊まるの初めてじゃん、っていう――あー、もうマジ、酔い覚めてるわ。  二人で結構な量を飲んだというのに、俺はこうで、リョータはこうで。 ちょっとは気にしろ――とか、そういうのは俺だけなんだろうけれど。  辛くなってきた体勢を変えよう、と俺はゆっくりと寝返りする。 しかしシングルベッドで狭いので右には向けない。 それにちょっと寒いので布団からも出たくない。 必然的に、リョータの方を向く事になった。  ――え、ちょ……っ。  同じタイミングでリョータも俺の方を向いた。 容赦ない寝返りと、酒の匂いをさせた息が俺の口にかかった。 近い――。
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