トナリ。

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 ――かち、かち、かち。  目覚まし時計の秒針は相変わらず音を立てている。 そして、俺の指の背はリョータの音も感じていた。  マジか、マジか。 「――俺もだよ」 「……何、が?」 「ふっ。言わせんの? 同じだっつってんの」  リョータは恥ずかしいのか、少し俯いた。 顏が近いから仕方がない事とはいえ、こつん、とおでこ同士がぶつかる。 痛くはないけれど、こそばゆい。 いつものくせっ毛がくすぐってくる。 「リョータ」 「うん」 「リョータ」 「何だよ、何回も――」 「――好きになっていーの?」  本当の意味は、これ。 だって、リョータはこっちの人じゃないから。
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