17人が本棚に入れています
本棚に追加
――かち、かち、かち。
目覚まし時計の秒針は相変わらず音を立てている。
そして、俺の指の背はリョータの音も感じていた。
マジか、マジか。
「――俺もだよ」
「……何、が?」
「ふっ。言わせんの? 同じだっつってんの」
リョータは恥ずかしいのか、少し俯いた。
顏が近いから仕方がない事とはいえ、こつん、とおでこ同士がぶつかる。
痛くはないけれど、こそばゆい。
いつものくせっ毛がくすぐってくる。
「リョータ」
「うん」
「リョータ」
「何だよ、何回も――」
「――好きになっていーの?」
本当の意味は、これ。
だって、リョータはこっちの人じゃないから。
最初のコメントを投稿しよう!