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うなじを撫でていた手が私の髪をそっと撫で、耳をくすぐる。
気持ちいい、あたたかい……嬉しい。
『許して。あなたをずっと見ていた。ずっと見ていたら……欲しくなってしまった……』
頭の中で響く透き通るような声。それは洗礼を受ける時のように祝福される心地だった。体内でひとつに溶け合わさる。彼のモノが私の中でもっとおおきく膨らんだ。
もう、どうなってもいい……。
罪が伸し掛かるどころか洗われるように、天へ浄化していく。
絡める舌は甘く、彼が体を突き上げるたびに甘美な快感が私の全身を駆け巡る。
「はぁ、はぁ、んあ、……っんう、……ふああ」
さっきまでとは全然違っていた。甘い快感に全身で酔いしれ、それは喜びへと変わる。
『愛してる……愛してるよ……どうか私のモノになると言ってくれ』
囁かれる声は、切なる訴えのように響いてくる。私の体を心の奥深くから震わせる。こんなに激しい愛を感じたことはなかった。強く、決して揺るがない確固たる想い。
「……ん、なります……はぁ、あ、あなたのっものに……」
なんの抵抗もなくすんなり言葉が口から零れてく。
身を神に捧ぐと決めたのに、もう理性なんて物はどこにも存在しなかった。世界にあるのは自分と感覚と感情。そして、目の前の彼だけ。
『今日からあなたは神のモノではない……私のモノだ……』
強く抱きしめられる。ありえないほどの快感と喜びが沸き起こり、脳が真っ白になる。
私は呆気なく絶頂へ達した。白濁した液はいつまでも止まらず空になるまで続く。彼に縋り付きながら、腰を震わせ私は夢中で幸せを貪った。何度も何度も吐き出し、代わりに彼の想いを受け止める。それは体中へと染み渡っていった。全てを彼に委ねる。
身を捧げるという本当の意味を身をもって感じた。
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