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駅に着くと次の電車まで20分待つことになった。
今でもまだ不思議だった。
こんな消極的な私があんなことを言ってしまった…。
それにあの人もなぜか次の約束をしてくれた…。
夢なのかもしれない。頬をつねる。普通に痛い。
夢じゃない。もしかしたらあの人は次の雨の日、来ないつもりなのかもしれない。
それならそれでもいい気がした。
もし次の雨にあの人が来なくても、今日話したことや一緒にいたことが嘘じゃないならそれでいい。
そんなことをぐるぐる考えているとあっという間に20分が過ぎていた。
電車に乗ると私以外にも高校生がいた。駅のホームはがらんとしていたのに、電車に乗ると普通にたくさんの人がいて、急に現実に戻されたような気分になる。
「あ、理沙。まだ帰ってなかったんだ。」
部活帰りらしき幼なじみに声をかけられた。
少し伸びた髪は汗のせいかほんのちょっと湿っていた。
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