0人が本棚に入れています
本棚に追加
「こんばんは。さっきぶりだね。駅一緒だったんだ、驚いたな。」
少し高めの優しい声。隣を見ると今日一緒に雨宿りしたあの人が立っていた。
「あっ、えっと、こんばんは。びっくりですね…。」
まさかこんなところで会うとは思わなかった。
「まだ雨降ってないけど会っちゃったね。」
笑いながらそう言う。心臓が急に忙しくなる。
「えっと、名前まだ言ってなかったよね。俺、成瀬優。」
「なるせ、さん…。」
「なぁに?」
成瀬さんは笑いながらそう答える。
「あっ、すいません…私、中西理沙です。」
「理沙ちゃん。」
優しい声で名前を呼ばれると夢の中に連れていかれるような気持ちになった。
「は、はい。なんでしょう。」
「改めてこれからよろしくね。」
「こちらこそよろしくおねがいします。」
私たちは、今日、初めて目を合わせた。
最初のコメントを投稿しよう!