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それにバレなかった時は後味が悪くて、二重の罪悪感を引きずってしまう。
会ってバレれば、ひたすら謝って体を重ねて許してもらえる。罪悪感は消え、二重にスッキリ出来る。
それに、そういう時の真白はいつもよりも妖艶で大胆になる。
俺もたっぷり愛情を注いで優しくしてやりたくなるから、二人の愛を確かめられる気がする。
雨降って地固まるというやつだ。
そんな甘い考えだから、俺の嘘はすぐバレるのかもしれない。
で、今日もやっぱりバレた。
「やだって!もう!」
突き飛ばされて尻餅をついたまま、部屋を出て行く真白の姿を唖然として見ていた。
え?なんで?なんでこうなるんだ?
これが他人の話だったら、前夜他の女にブチ込んでいたモノを”おまえのナカに入れたい”だなんて言ったら、恋人にビンタを食らって当然だとわかる。
まだ許してもらってもいないのに、節操がなさ過ぎるだろうとツッコむところだ。
それなのに、自分のこととなると常識的な判断ができなくなる。
それはたぶん俺と真白にとって、こんなことがもう何度も繰り返されているという気の緩みのせいだ。
また真白は俺を許して、すぐに抱かせてくれるという驕り。
今までとは全く違う真白の反応に頭が真っ白になって動けなかった。
何がいけなかった?今までと何が違った?
まず思いついたのが、直前に真白の乳首の反応を笑ったこと。
怒って言葉では俺を拒絶しているのに、相変わらず感度のいい真白の体が嬉しくて、つい調子に乗ってしまった。
あれはマズかった。
あとは外デートを止めて家にいようと言ったことか。
俺としては外出するよりも家でイチャイチャしていたかったが、真白は服も髪もかわいくしていたから外出したかったのだろう。
あとは今回の相手が毎日店で一緒に働く部下だということかもしれない。
今までの相手は大抵たまたま近くに居合わせた行きずりの女とか、知り合いと言っても高校時代の同級生とか友だちの友だちとかそんな感じで、1回こっきりの相手として都合がいい女ばかりだった。
俺が一夜を共にした女と、同じ職場で働き続けるということに真白は抵抗を感じたのかも。
俺自身だって抵抗ある。
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