第2章

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ピッピッピッピッ 一時間して鳴り出した機械音に幸恵はほっとした顔でグラスをおいた。 「じゃあ、ちょっと様子見てきます」 幸恵がそう言うと 「お願いします!」 田村は両手をぐっと握り、言った。 「情けないなあ、田村彼女の機嫌とりをよその嫁さんに頼むとは」 「勘弁してくださいよ所長~」 堂藤ががははと笑いながら茶化す。 「あなたも人のこと言えるのかしら?」 堂藤の奥さんの好美さんだった。 「好美~」 どうやら堂藤も妻には頭が上がらないらしい。物静かなわりに妙な迫力がある奥さんだ。
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