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第3章
「美佳!おい!しっかりしろ!美佳!美佳」
田村は変わり果てた姿の大林を抱き抱え、何度も叫んでいた。
しかし、既に事切れている事は誰の目にも明らかだった。彼女の首にはしっかりとロープが食い込んでいたのだ。
幸恵は首のロープを見ていた。
(荷造り用のロープ?いやこんなのは普通にホームセンターでも売っているか)
ふと見ると、クローゼットの扉が開いていた。
(ここに隠されていた?さっき聞いた音はクローゼットの開いた音と、美佳さんが落ちた音か。周りはその時散らかった?)
リビングには何本かの中身の入った冠ビールや袋詰めの氷が落ちていた。氷は既に溶け、水になっている。
「とにかく、一度皆外へでよう。後、警察だ」
堂藤の号令で皆入り口へ向かった。
「田村さんも出ましょう」
幸恵は一人大林を抱き抱え泣いている田村に視線を合わすようにかがみそう言った。
「あ!ごめんなさい」
偶然その時幸恵の手が大林の顔の辺りにあたった。
(まだ、全然生きて入るときと同じ感触…)
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