第3章

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「殺されたのは大林美佳さん二八才。市内の会社の事務員か。それが何故こんな社員寮に?」 バーベキュー会場に集まった八人全員に聞くように中田が聞いた。 「あ、あの僕の恋人です。うちに泊まりに来ていたんです」 すっかり消沈し座り込みひざに両手を 置いた形で田村が言った。 「そうですか。それはお気の毒です」 中田の口調は若干芝居がかって聞こえた。 「それでは、お一人づつお話を聞かせていただけますか」 一人づつ発見された時間から一時間前までのアリバイと殺害された大林美佳との関係性を聞かれることになった。 「では、まず堂藤さんからお願いします」 所長として、まず話しをということらしい。 「わかりました」 堂藤と中田が離れた。 「俺のせいだ…。普段からカギをする習慣にしていたらこんなことは…」 田村悔しそうに呟いた。
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