第3章

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「カギをする習慣なかったんですか?」 幸恵が聞いた。 「男の一人暮らしですよ。普段部屋にいる時カギなんてしないですよ」 「美佳さんも施錠の習慣なかったんですか?」 「あいつも、一人暮らしですから昔はうちにきてもしていましたけど、僕がしないから、あいつも、しなくなりましたよ。こんなことなら、真面目にカギすればよかったんだ」 ずっと地面を凝視しながれ田村は叫んび、額に両手をあて、深く頭をたれた。 隆弘と幸恵と堀田が、 発見される一時間位前に部屋へ上がる大林を田村が見送っていたことを証言、一時間後部屋へ行った幸恵が 既に部屋には誰もおらず、ベランダにロープの擦れたあとがあると証言した。 このことから 警察は、部屋にもどった大林がすぐにそこで寮の誰かに殺害された後誰もが出入りし、容疑者がしぼり切れない一階のリビングに隠すため、バーベキュー会場からは死角になるベランダからロープを使い袋に入れた大林を101のベランダに下ろし、その後隙を見てリビングのクローゼットに移動したという見解を示した。 アリバイはバーベキュー参加者には何かしらあり、一人抜けて二階へ行き殺害し遺体を一階へ下ろし、更にリビングへ隠す時間はないだろうという見解だった。
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