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「きつい人?」 「この仕事は三回しかしていないけれど、確かに一緒に仕事をする人で、人のいい感じの人はあまりいなかったな。結構、厳しい人が多かったね。未経験だからってボヤボヤしているとボロクソさ」 「でも、テル君はボロクソに言われてないんだろう?」 テルの叔父はテルの能力をよく知っていた。 「一緒に入ったバイトの人がね」 「そうだろうね。人のいい感じといえば、ユウ君みたいな?」 唐突にユウの名を出した叔父をテルは訝しんだ。ユウと叔父がしばらく会っていないことをテルは知っていたからだ。 「ああ、いなかったな。ユウみたいなタイプはこの仕事に向いてないかもな。そういった厳しい人とうまくやれって、なめられるなってさ」 「なるほど、そういうことか。それにしても義兄さんらしいね。でも、勉強に加えて、いろいろさせられて大変じゃないかい?」 「いや、いろんなことに挑戦するのは楽しいよ。それより、叔父さん、何か用があったんじゃないの?」 「うん、今日、朝の九時頃だったかな。ハックと散歩に行った時に久し振りにユウ君に会ってね」 テルの叔父がそう言うと、ウォンとハックも吠えた。 (そういうことか) テルは叔父がユウの名を出した意味を理解した。
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