7人が本棚に入れています
本棚に追加
/523ページ
「ユウに?どこで?」
「河川敷だよ。学校の近くの」
「河川敷か…」
(学校に来ようとしたのかな…)
テルは天井を見上げ、ユウのことを思い浮かべた。
「かなりきつそうだったよ」
またハックがウォンと吠えた。
「ユウと何か話したの?」
「うん、ユウ君の病気のことを少しね」
テルの叔父は立ち上がった。
「医者にかかってないとか言ってたね。悩んでいるみたいだったよ」
テルの叔父はドアを開けながらそう言った。そして、少し床を見つめ何か言いたげなそぶりを見せたが、結局何も言わず部屋を出ていった。
テルは再びノートパソコンの方を向いた。しばらく、画面を見つめていた。ハックも前足を机にかけ、画面をのぞき込んだ。
「わかってるよ。ユウのために調べろって言うんだろ」
テルはそう言って、ハックの頭をなでた。
「ウォン」
「じゃあ、ばあに紅茶でもいれてもらうか」
最初のコメントを投稿しよう!