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「ッ臭いねん!!!まじで!!頼むから異臭を放つな!放つなら外いけぇ!!!」
限界に達した…のだ。
連日連夜続く彼等の痛い程の視線には慣れては来たし
聞きたくも無い呟きにも話し声にも慣れては来た。
付き合いと言う言葉で纏めたく無いけれど、それなりの耐性は物心つく頃から今迄確実に培って来た。
だけど異臭は駄目。
異臭は慣れないし、今回は口呼吸すら嫌悪する程の悪臭。
私だって女子歴17年の乙女だし
部屋が生ゴミの臭いは駄目だ。
臭いだけは視えない人にも分かるし、きっと玄関出ても臭ってるしベランダからも酷い臭いが漏れてる。
気休めに開けたベランダのドアを、
閉めた方が良いのは分かっては居るけど閉めたくない!どうしよう!隣のオバチャンにこの子の部屋はゴミ屋敷だって思われてきっとTVとかにタレコミされて8チャンネルの人とかが来ちゃってオバチャン音声変えて出演しちゃうよ!
[そんな癖があるようには見えなかったんだけどねぇ~最近の子は分かんないもんだねぇ~]
とか言っちゃう気だよ絶対
頼むからオバチャン起きないで!いやもう起きちゃうレベルだよね、この悪臭...ヤバイヤバイヤバイよヤバイよ
芸人さんの名台詞が頭の中でリフレインした。
どうする?
どうしたらこの悪臭消える?
芳香剤買いに行く?
50個ぐらい置いたらどうにかなるかな。
「なぁ。」
煩いなこっちは今オバチャン対策練ってんだから話し掛けないでよ
TV対策もしないと...
「なぁ、おい、そこの…ゴミ屋敷の人!」
!!???
「いや、わた私じゃないんです!この臭いはですね!……え、ちょッ………」
人は驚きが最大限になると言葉が出なくなるらしい。
17歳でこの事に気付けたら早いのか
遅いのか私は今からどうしたら良いのだろうか
ベランダにオトコが立っております。
私はなんの取り柄も、何の財産も御座いません!どうか命だけ…はッ!?
そか、こいつもこいつ等の仲間か。
にゃーるほど。
あぁービビった
死ぬほどビビった
ちょっと出たわ魂。
くっそこいつやたらクッキリしとるから分からんかったわ!
「あんさー。一人でブツブツ言ってるつもりだろうけど全部漏れてんぞ?筒抜けだぞ?こっちゃ朝から引越し作業してやっとこさ寝れると思って横になったらお宅からすんげー臭いがするから寝れねーんだよ!引越し早々死体でも拝まなきゃなんねーのかと思ってインタビューの会話も練習する所だったわ!!」
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