第2章

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最初の警察署までの道のりでは何も気づかなかったが、今になって一つ、気がついたことがある。 道で誰とも出会っていないということだ。 私の住む土地は都会ではない。 が、さすがに20分以上も歩き回っても誰とも出会わないような、そんな過疎った土地でもないと確信を持てる。 こんなに人と出会わずに外を歩いたことがあったのか、思い返してみてもやはりそれはないと断言する他ない。 もうこの際警察にこだわっていることに意味は無い。 とにかく、頼りになる人を見つけたい。 自衛隊員や、消防隊員や、そういう類でなくていい。 ただ、誰かに出会うということ、それだけで今は少し救われる。 そう考えまた私は、いつ終わるともしれない移動を始めた。
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