第1章

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「う~ん、特に異常は見あたらないね。」 「あ、そうですか。」 これで何回目だろうか、この会話は。 「また何か異常があれば受診してくださいね」 どの医者もみんな同じことを言う。私は診療室のドアを無言で閉めた。 待合室のイスに腰をかけてため息をつく。ふと待合室の時計を見つめると秒針が止まった。 『またか』と周りを見ると受付のお姉さんも待合室でおしゃべりをしていたおばちゃんもテレビを見ている中年の男もみんな止まったままだ。
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