終章

8/8
前へ
/123ページ
次へ
『タカヒロくんには俺がいるよ』 少しだけ寂しさを感じていた俺の心を見透かすようにショーキチが呟いた。 この野郎…ショーキチのくせに… でもその言葉がすごく嬉しかったのも事実で、また俺の瞳が潤んでいく。 『バーカ!』 俺は誤魔化すようにそう声を上げた。 『ちょっとー』 不満そうに声を上げるショーキチは自分も小さなグラスに生ビールを注いで 『かんぱい』 そう言って笑った。 『かんぱい』 素直にグラスを合わせるとビールを喉に流し込む。 『ショーキチ、まず焼き鳥な』 『あいよ!』 いつものようにショーキチの威勢のいい声が店中に響き渡った。               完
/123ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加