◇バーチャル◇

8/8
前へ
/58ページ
次へ
「・・も、もしかして、胸当たってる?」 小さな声で、そう聞くと。 しばしの沈黙の後、棗がこくん、とうなずく。 ・・そりゃそうだよね・・ノーブラだもん。 「雪の胸・・めっちゃ柔らかい」 棗が嬉しそうに呟く。 「な・・ば、ばかあ・・」 恥ずかしそうに棗の背中に顔を埋めて目を瞑っていると、 「幸せだ。雪に触れるなんて」 棗がまた、嬉しそうにいう。 ・・うぅ、恥ずかしい・・ その時、腕のあたりから、 『参加者全員に連絡します。障害が発生。これより緊急メンテに入ります』 という不思議な音声が流れてきた。 それと共に、グラっと足元が揺れ、ホロホロと崩れれるように、世界が溶け出した。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加