4人が本棚に入れています
本棚に追加
そこへ、
「あ、いた!」
と、若い男が2人、走りよってきた。
「いや、びっくりしたゎー」
そういいながら、2人が私達の横に座る。
「まさか、いきなりこっちの世界に放り込まれるとはね」
ん?・・こっちの世界?
私の怪訝そうな顔を見ながら、彼が
「いや、王子。それが、なんか雪、記憶がないみたいで・・」
と、困ったようにいう。
「えっ?!」
2人が、顔を見合わせ目を見開く。
「雪ねぇ。・・頭でも打った?」
・・ん?雪ねぇ?
知り合い?
王子と呼ばれたのは、なかなかイケメンの年齢不詳の小柄な男性。
もう一人は、チンピラ・・もとい、某ダンスグループのダンサーのような黒服にサングラスの若者。
「・・まあ、焦らなくてもそのうち思い出すんじゃない?」
王子と呼ばれた方の男が、のんびりとそういう。
「説明しなくていいの?」
黒服サングラスの方が心配そうに促すが、彼は
「うーん」
とうなるだけで口を開かない。顔に面倒、と書いてある。
最初のコメントを投稿しよう!