4人が本棚に入れています
本棚に追加
その返答に、
「え、マジで」
とレンが目を丸くし、
「後ろにいるのが、棗さん。・・姫のナイトだよ」
とウインクしてみせる。なかなかチャーミングな仕草だ。
首をかしげる彼女に、
「姫っつーのは、雪のことだな」
と、後ろから棗が説明を加える。
「白雪。それが雪のハンネだ」
ハンネってことは・・これ、ゲームかなにか?
えぇえ!?・・どゆこと、これ
全然わかんない・・
なんだかまた、頭痛くなってきた。
彼女がとまどいながら振り返って、彼を見上げると、
「記憶はなくても、雪は雪やき気にするな」
と、彼が彼女の頭を優しく撫でながら、いう。
「うん・・」
その手のひらの暖かさに少しほっとして目を瞑る。
この人がいると、なんだか安心する・・
なんて考えていると、
「棗さんは相変わらず姫大好きだなー」
とレンが少し呆れたようにいう。
「当たり前や。雪は俺の特別やき」
そういってここぞとばかりに自分を抱きしめ、擦り寄る男の髭が頬に当たりチクチクしたが、今の彼女にはそれがなぜか、とても心地良かった。
最初のコメントを投稿しよう!