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その後しばらく押し問答が続いたのをみるに見かねてか、少し呆れたように、王子が会話に割り込んだ。
「雪ねぇ、早く棗さんにおぶってもらって。棗さん喜ぶから。さ、行くよ?」
すでにレンは少し前に進んで、こちらに手を振っている。
王子が、早く、というように、無言で見つめているのを感じ、彼女は観念したようにおずおずと、棗の背中に体を預けた。
と、棗が不意に
「あ・・」
と小さく声を漏らす。
「え、なぁに・・?」
聞きかえす彼女に
「いや、なんでもない」
と答えて慌てて立ち上がるのを不審に感じ、彼女が視線を彼の横顔に向けると、その首筋が、なんだか赤い。
心なしか、妙に恥ずかしそう・・な・・て、もしかして!
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