第2章

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「……綺麗な方ですね」 「え?」 「坊ちゃんのフィアンセ……」 過度の緊張が 余計なことを口走らせる。 「んん。ああ……だね」 ごく間近で返事が聞こえるのに まるで心ここにあらずだ。 西日の落ちるカーテンの向こうを見つめたまま 九条敬は曖昧に微笑んだ。
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