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ここ最近、敢えて心音に色んな仕事を
させてみて感じた事だが
心音にはアイツにしか出せない独特のセンスがあると俺は思っている。
具体的にはまだ言えない段階だし、まだまだ荒削りの状態だけど、この業界でそれなりにやってきた俺の勘だ。
間違いないと思う。
ただ心音はまだ自分ではそれに気づいていない。
俺は心から心音を大切に思う。
だからこそ今、心音を俺の元から離す時なんじゃないかって
そうした方がアイツの為になるんじゃないかって…
もっと、もっと、色んな可能性が広がるんじゃないかって
そんな考えが俺の頭に浮かんでは消えていく。
頭では解っているのに心音を見るとつい、行動に移せない。
心が真っ二つに割れたみたいに極端な思いが交差する。
今の俺は心音が俺の側から少しでも離れるのが不安でーーー
ーーーー何よりも怖いんだ
なぜならーーー
羽を広げ自由に飛ぶことを覚えた雛鳥は
やがて今よりも広い世界を知り
二度と親鳥の元へ帰っては来ないだろうから。
ったく…
何、感傷に浸ってんだよ。
しっかりしろよ。
お前は心音の師匠だろが。
その事を忘れるなっ。
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