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「なごむ…」
あれだけ注意されてもほとんど呼んだことのない師匠の名前を口にしてみる。
それだけで愛しさが込み上げてくる。
その瞬間、後ろからギュッと抱きしめられた。
振り向かなくても解る。
男の人にしては少し甘めのあの香りがするからだ。
「なごむ…」
もう一度呼んでみる。
返事の代わりに更にギュッと抱きしめられる。
私たちは初めて結ばれた時の様にその場でまた抱き合った。
お互いの温もりを感じ合うことで
気持ちを確かめ心を重ねていく。
その夜、私は抱かれながら愛しい人の名前を何度も何度も呼んだ。
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