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運がいいのか、俺たち三人は同じクラス(1-A)だった。
「またこの面柄。小学の時どころか、幼稚園の時からずっと同じクラスだな」
宗臣が教室に向かっている途中で呟く。
「そうだな。でも、知っている奴が居ればそれはそれで落ち着くけど」
それを聞いた宗臣と梨華は、相槌を打った。
移動している最中、二年生らしき女子生徒とすれ違った。
すれ違った時、その先輩は僅かに顔を赤くしていた。
どうして俺はこんなにも女性とすれ違うことが多いのだろうか?っと考えていた。
「そりゃ単純に運がいいだけだろ」
「お前・・・・・・人の心を魔術使って読むな」
「悪い悪い」
こんな会話をしていると、梨華が小首を傾げていた。
俺たちが何を話しているのかわからないのだろう。
なので俺は梨華には到底理解できないことだと嘘を言ってのだが、直ぐにバレて問いただされた。
それでも何を話していたかは教えなかったが。
その後俺たちは、二週間の間何をやっていたかを話し合っていた。
俺は特に何もせず、ただ必要なものをゆっくりと集めていたことや、五年前に見つけた暗号化されている魔導書を解読していたことを教える。
梨華は勧誘を受けたその日にお祝いとして家族と一緒に高級レストランで食事をしたらしい。
宗臣は自室にこもって、数年前に亡くなった母親の形見である大量の魔導書を読み漁っていたらしい。
そんな会話をしていたら、1-Aの教室が見えて来た。
「あそこが俺たちの教室みたいだな。早く行こうぜ」
俺は二人置いて、小走りで教室に向かう。
「急ぐことないだろうが」
宗臣はやれやれと言いたげな顔で言う。
「ぼくは雄吾に賛成かな。という訳で、ぼくもお先に~」
梨華も小走りで教室に向かう。
教室には数人生徒が居たが、目測で一桁程度しか居なかった。
そんなことは気にせず、俺は空いている窓際の後ろの席に着いた。
後から入って来た梨華と宗臣は、真ん中ら辺の席に着いた。
梨華は真ん中ら辺の窓際の席へ、宗臣は出入り口の壁際の席に着いた。
(宗臣が真ん中じゃあ後ろの人とか黒板見えづらいんじゃないか?)
などと考えながら、鞄を机の上に載せる。
先生が来るまでまだ時間があるため、俺は最近はまっている小説「シャーロック・ホームズ」を取り出す。
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