本郷さくらの受難

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「わかった!行くわよ、行けばいいんでしょ!」 あたしは渋々、承諾した。 「良かった。じゃあ……これね」 と、姉さんが差し出したのは、片手にすっぽり収まる位の小さな『箱』だった。 一面に無数の直線が入り乱れていて、幾何学模様とでもいうのか、妙な模様を作り出している。 はっきり言って、趣味は悪い。 「何コレ?何が入ってるの?」 「うふふ。ひ・み・つ」 なによ、秘密って! あたしは思わず箱を握り潰しそうになったが、なんとか思いとどまった。 どうせ、データの入ったメモリーカードとかだろう、きっと。 「とにかく、この『箱』を真さんに届けてくれればいいから」
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