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耳元で鳴る風を切る音により、街から聞こえていたざわめきがかき消され、只々重力に従い落ちていく。
「うぇおわぁぁぁぁあああーー」
マジか……俺、死ぬ……。
もうこの状況はどうにも出来ない。
勢いで死のうと一瞬でも考えた自分が悪いのか……もう受け入れるしか……。
つーかやっぱ死にたくない!! タイムタイム!!
しかし、いくらそう考えても意味をなさない。段々と地面が近づいてきた。
ああ、ヤバい終わる……。
そして瞬く間に、目の前へと地面が現れた。
あ、俺オワタ。
とうとう地面に到達した身体は激しく叩き付けられ、辺りに鈍い音が響き渡った。
その音を聞き、近くを歩いていた女性が何事かと駆け寄る。そして甲高い悲鳴をあげた。
その悲鳴を聞きつけた人や、ビルから落ちる人影を見た人達が次第に周囲に集まってきた。野次馬も混じり、辺りは徐々に騒がしくなっていった。
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