不死身の富士男くん

不死身生活スタート

　ビルからダイブして一日が経った。

　寝て起きた時は夢だったんじゃないかと思ったけど、地面にぶつかった時の衝撃で破れた服やジーンズを見てやはり現実だったんだと理解した。

　ちなみに怪我は全くしてない。

　どうなってるの！？ えっ！？ えっ！？ やばいよやばいよ！！ ってなるのが普通だけど、俺は全くならなかった。

　最近色々ありすぎてもう驚き疲れてるからね。むしろ冷静に自分に起きたことを分析してる俺はすごいと思う、うん。

　ちなみに寝てたのは近くにあった公園のベンチ……。

　アパートが燃えてから寝泊まりしてたネットカフェに行ったら、服がボロボロ過ぎて入店拒否されてしまった。

　ひどくなーい！？

　今１２月だよ。普通、野宿したら凍えるよね。死んじゃうよね。

　でも俺全然平気！　何故かってそれは――俺が不死身だからさ！！

　俺スゲェェェェェェ！！

「さて、どうしよっかな……暇だな……」

　まずは新しい服買ってからだな。これじゃあ目立ちすぎるし。

　服買ったら財布の中身はあとわずかだけどね……。