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あなたからのメッセージを頂いてから、私は四聖獣に謁見する為に集中力を研ぎ澄ましました。
そうする事で私の意識は宙に舞っていき、四聖獣のいる場所へと自然に飛散していったのです。
たどり着いた先は古代の闘技場のような場所でした。
碧色の空が四方に広がっていて、まるで野球のグラウンドにいるかのように開放感のある空間。
そこに彼等がいたんです。
彼等は、壁画や絵画などで目にする姿と全く一緒で、その佇まいはそれはそれは堂々たるものでした。
「ム……先程から霊力を用いて我等に接触して来ているのは貴殿であるか?」
私の接触に気が付いた玄武が、低い声でそう尋ねてきました。
「違ぇねえ! こいつに間違いないよ!」
おちゃらけた態度でそう答えたのは白虎、子供っぽさが探らずとも皆間見えます。
「……何のようだ?」
ぶっきらぼうに答えたのは青龍、ですがその短い言葉には非常に重みがあります。
「私達に会いに来たのですから、何か大事な用があったのでしょう? それを聞かせて頂けますか?」
燃え盛るような赤く激しい翼を湛えた身体とは対照的に、澄みきった言葉を吐いているのは朱雀です。
彼等一体一体の持つ強力な力と、それを物語るような強大なオーラが、私の意識をビリビリとつんざきました。
私は多少萎縮しながらも、遠慮はせずに佑貴子さんの事を四聖獣に話し、宝玉の導きを授けてくれないかとお願いしたのです。
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