第1章

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 デジタルなのに簡単、高性能、最先端とは違う。 むしろメニューも分かりにくく、シャッターボタンの反応もイマイチ。 使いやすさはモバイル端末に付いているカメラ機能の方が上かも。 かわいいPOPのトイの文字にのせられてしまった、と後悔寸前。 ただ、時々手ブレとは違う、ズレ、グニャリと曲がり写る景色。 何かはわかる程度にゆがむ。 それは、まるでワタシが時々感じる違和感のよう。 偶然の中にある現実の結果。 ダレカの目に映るワタシもこんな風に……。 そんな怖さも感じながら、独特の写りに惹かれてしまった。 これが全てのはじまりだった。
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