第10章

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人々の記憶から忘れ去られた地下通路。立ち入り禁止の文字もロープさえも色褪せて、誰も近寄らない。 コツコツ…地面を鳴らすハイヒールの音。徐々に早くなって切羽詰まった音に変わる。 「来た。」 「はぁはぁ…や、やだ…こんなところに来ちゃった…携帯、携帯…誰か呼ばないと…怖いし…」 震える手で携帯を出して画面をタッチする寸前に 「おねぇさん…」 「うわあああ!」 携帯が宙を舞う。側溝に落ちた携帯を慌てて拾おうとして、身を屈めた。 「おねぇさん…」 !! 「何よ。驚かせないでよ。携帯落としちゃったじゃないのよ。ったく。あんた何してるの?子供が何でこんなところにいるのよ。」 失礼で下品な女、このキタナイ女は今日の獲物。 キタナイ女は…イラナイでしょ。 「おねぇさんは何してるの?」 「ってか、あんたと話をしてる場合じゃないの。早く誰か呼ばないと。」 拾った携帯を操作し始める。 「おねぇさん…それ、もう使えないでしょ。」 「えっ?何でよ。」 「僕がこうするから。」 「きゃあああああ!」 手に持っている携帯画面の真ん中に刃物を突き立てた。貫通して刃先は手の甲まで届いている。 「うっ…痛い…あ、あんた…なな何すんのよ!」 怯えなが吠える下品でキタナイ女。 「何するのかって? そんなの…決まってる。」
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